同時期にこんな記事が目に飛び込んできた。
ケンズカフェ東京「ネット通販やめたら売上げ3倍、利益率は2割増」
一記事目は、ガトーショコラの会社が売上の6割を占める通販をやめて、店頭販売に特化した。
結果、売上は前の3倍、利益率も2割上がった。という内容。
二記事目は、アディダスが実店舗を閉めて、伸びが好調なオンライン販売に力を入れていく。
という内容だ。
どちらも思い切った判断を、真逆な方向にしている。
私は前職は物流企業、現在はギフトECをやっているのもあって、この二つの事例は非常に興味がある。
物流の壁にぶつかった通販業界
最近の宅配料金の値上げにより、通販業界はなかなか荒れた。
次々と通販サイトが送料を値上げし、Amazonも遂に送料を上げた。
(適正化という言い方のほうが正しいか。)
通販業界以外にも、物流費の増加により、ビールも値上げした。
「送料無料」が消える日は近い?
今までAmazonを筆頭に「送料無料」をキーフレーズに伸びてきた通販業界もだいぶ変わりつつある。
私が物流企業にいたときに課題になっていたのが「送料無料」表記だ。
これにより『送料=タダ』という意識が消費者に付いてしまい、
「送料がなんでかかるんだ!」
みたいなアホみたいなクレームが多発する事態になった。
「送料無料」じゃなくて「送料当社負担」が正しい。
物流企業を辞めてから数年が経つが、ようやく送料は発生するもの。という認識が消費者に広がってきたように感じる。
店舗と通販でどう価値の差別化が出来るか
「通販は送料がかかる。」という考えが一般化してくれば、
「通販=家に居ながら安く買える」
というイメージが崩れてくる。
そうなると、
店舗で買う
と
ネットで買う
ことの価値の差別化がどんどん起こってくる。
こうなってくると楽しい。
ガトーショコラのお店は、通販を辞めることで、配送トラブル対応コストを減らし製造に専念しクオリティを高め、
さらに来店してもらうことで、チョコのいい匂いのする店内で対面で手渡しする。という体験を価値にした。
通販だけの価値をどう出すか?
店舗では来店を価値に出来る。
じゃあ、通販はどういう価値を出せるんだろう。
もちろん、楽。とか、遠くのものが取り寄せられる。みたいな価値はあるのだが、+αの価値が求められている気がする。
あとは、ネット店舗の強みであるラインナップの豊富さとかもあるか。
こういうのは、まああるんだけど、送料を払うからこそ得られる体験。みたいなのが作れたらよいな。と思っている。
梱包を工夫してワクワクしてもらう。とかそういうやつ。
うちもギフト会社として、なんか面白いの考えたい。
どんどん増えていく
これから、ネット特化販売や、店舗特化販売をしていく企業はどんどん増えていくと思う。
そのときに、各企業がどんなサービスを打ち出していくのか、とても楽しみだ。