私が古民家じゃない普通の民家を一棟貸し宿にしたい理由~宿業界のニコレン目指す~

秩父で一棟貸し宿を作っているすぎもんです。

現在、秩父郡横瀬町の空き家を契約して宿を作っているのですが、『地方×空き家×宿』という領域だと、「古民家なの?」とか「民泊なの?」「ゲストハウスなの?」と聞かれることが多いです。

最近は事業に興味を持ってくれる方や手伝いたい!と言ってくれる方が増えてきたことから、やりたいことをちゃんと記事化した方が良いな。と思った次第です。

なぜ独立して宿を始めるか

そもそもなんで独立して宿をやるの?というところなのですが、

①ばあちゃんが小さい宿をやっていて、小さい頃から興味があった

②0→1やらないと死ぬと思ったから

③独立したての実績が無い状態でも、比較的やり易いと思ったから

という感じです。

②は、大企業(グループ連結で20万人以上)からベンチャー(数名~十数名)に転職したのですが、大企業は多分向いてないな。と思いました。

で、ベンチャーでも小さい売上を上げていく。みたいな部分はやりましたが、自分でゼロから売上を作らねばいつか限界が来る。とふと思ってしまいました。

で、独立して何をしようと考えたときに思い付いたのが宿です。

デザイナーとかエンジニアみたいに手に職がついていれば良いのですが、私にはそんな能力はありません。やっても実力が伴わないので、単価が低くなってしまう。

でも宿とかってオーナーの実力や実績が無いから100円で泊まれるとかはないじゃないですか。

で、お客さんはネットなどを使って調べて、事前予約をして来てくれる。

飲食店などと違って、今や顧客獲得の戦場がほぼネットやメディア完結なので、前職での経験も使えるし、若さ(IT知識)も武器になる。という事で、宿を選びました。

なぜ古民家じゃなくて普通の民家なのか

別に古民家が嫌ではありません。条件に合う古民家があればそれでも良いと思ってます。が、古民家って絶対数が非常に少ないです。

現在、横瀬町には200を超える空き家がありますが、宿に出来る条件を考えると0に近いかもしれません。

空き家がこれだけ社会問題になっているのに、古民家に限定して事業を展開していくのは社会に対して不誠実だな。と思ってしまいました。

また、古民家宿も視察で何カ所か泊まったりしたのですが、構造が昔の生活様式化してるので、

『隙間風が吹く』『虫が侵入しやすい』『遮熱・防寒が弱い』

と、現代人が中で過ごすところまで整備するとめっちゃお金かかるな。と思いました。古民家カフェとかなら良いんですけどね。

また、スピーディに棟数を増やして、規模拡大・全国展開していきたいと思っています。

これは秩父に来て更に強く思いました。

秩父の人はみんな産業が無い。って言います。そして若者がやりたいと思える仕事になると更に少ない。

でもゲストハウスをはじめとする宿業は若者に一定の人気があります。しかし宿泊業って薄給だし、スキルも付きづらいです。基本、毎日同じ事の繰り返し(って僕がフラれるんだ)

・接客スタッフ→マネージャー→施設支配人

というキャリアだとしても、全員支配人になれるわけでもないし、

マネージャーって、武器になり得なくてただの手段なので基本的には分かりやすい結果が無いと他所では無価値になってしまいます。

なので私の会社のスタッフには、物件の掘り出しから改装、採用とかまで一貫して担ってもらって、全社員が支配人になる環境をつくりたいです。(会社がデカくなったらコーポレート系の職種は出て来るが)

古民家に限ると、エリアも絞られてしまうし、規模拡大のスピード感も遅くなってしまうので、普通の民家を使おうという発想になりました。

始める前にスタッフのことまで考えなくて良くね?と思うかもしれませんが、そもそもここを最初に設計しないと、途中で手詰まりして負のスパイラルになる。と思ったので、割と重視しています。

なぜゲストハウスや民泊で無くて、一棟貸しなのか

ゲストハウスは好きで、海外も国内も色々泊まってきました。でもやらない理由は

スタッフのこと

②満足度のコントロールが難しいと感じた

③コミュニケーション疲れが怖い

です。

①スタッフのこと

ゲストハウスのスタッフって長期採用は少ない印象です。

スタッフがどんどん入れ替わってしまうのは、気を付けないとリピーター離れに繋がるし、なにより私が寂しいので嫌です。笑

②満足度のコントロールが難しい

海外のゲストハウスと違って、日本のゲストハウスって、交流目的の顧客が一定数います。

『ゲストハウス=交流』という目的で選んでもらうと、

その日の宿泊者の人数や相性が、そのまま満足度に繋がってしまって、質のコントロールが難しいなと思いました。(上手くやっている施設もあると思いますが、私には無理そうだなと…)

せっかく泊まりに来てくれる人にはちゃんとこちらが意図した宿泊体験を提供したいので、こういう形を選びました。

③コミュニケーション疲れが怖い

②に繋がりますが、オーナーを中心とした交流に特化すれば、比較的満足度のコントロールはし易いかも知れません。

しかし私は一度新しい人と話し過ぎて、もう誰とも話したくない。。となってメンタルブレイクした経験があります。

ゲストハウスオーナーとかスゲエなって思いますが、私にはそこまで無理や…と思いました。

宿泊業のニコニコレンタカーを目指したい

最近こういう説明機会が多いので、簡単な説明を考えているんですが、今のところしっくり来てるのが

宿泊業のニコニコレンタカー

です。

ニコレン自体の評判は店により様々みたいですが、発想自体とても好きで、はよく利用していました。(今はマイカーあるので)

ニコニコレンタカーの特徴は大きく以下の2点があると思います。

①中古車を利用して、利用料を下げている

②ガソリンスタンドや整備屋にフランチャイズをやってもらって規模拡大している

①は、私は車好きでないので、高いお金払って新車をレンタルするより、中古車を安価にレンタル出来た方が良いです。

つまり利用者のニーズに対して提供がオーバースペックになっていた。

宿業界にも近いものがあるんじゃないかなあ。と思ってます。

『果たしてみんな一等地のホテル泊まりたいのか?』『古民家のホテルが良いのか?』みたいな疑問。

良いホテルとか泊まったとき、有名設計士のデザインや高そうなモニュメントだったりとかは勿論宿泊費に反映されているわけで、私はどれだけ享受出来てるんだろうか。と思うことがたまにあります。インスタとか好きだったら良いけど。

ただの民家でも内装を頑張れば『同じ価格帯の旅館より大きな部屋に泊まれる』という状態を作れるので、そこを頑張りたいと思ってます。

というか、私だったら、エントランスや外観、共用スペースが凄いホテルに泊まるより、外は普通の民家だけど、中は綺麗な貸し切り宿の方が広いし良いなと。

共用スペースとかは無いけど、周り散歩すれば良いし。

②に関しては、小規模かつ収益構造が違う営利企業同士が利益を追求しちゃうとロクな事にならないので、他の方法でやりたいなと思ってます。

ということで、自分の泊まりたい宿を作っているという事でした。

最後に

宿は今内装検討中で、それが終わると改修に入ります。

DIYイベント的にやりたいなと思っているので、ぜひお手伝いに来てください〜。

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